台本を分析するための3つの異なる視点とは??

あなたは台本分析に自信がありますか?

 

「台本をきちんと理解したつもりが、

いつも全然違うダメ出しをされる……」

 

「ちゃんと台本読んでこいと

いつも言われ続けている……」

 

 

そんなあなたは台本分析の手順、

台本をより読解するためのポイントを

理解していないのかも知れません。

 

この記事を読めば、

どういった順番で台本を分析していくか、

どうやったら固着した考えにならず、

読解を進めていくことができるのかがわかります。

 

 

 

台本分析の基本

台本を分析する上で大切なのは、

「客観的な情報」と「主観的な考え」とを

しっかりと切り分けることです。

このとき、大きく分けて3つの視点が

必要になってきます。

 

分析を主観的に行ってしまうと、

・ナルシストな演技
・自己中心的な分析
・何を演じても”自分”になってしまう

という問題が起こってきます。

 

客観から主観まで段階的に、

見ていきましょう。

 

 

台本分析の3つの視点

 

台本分析のための3つの視点とは

1.作家視点
2.キャラクター視点
3.役者視点

の3つを指します。

上から順番に客観→主観へと

移り変わっていく流れでもあります。

 

台本分析の基本は

客観的な情報から集めることです。

 

ですが多くの人は主観的な考えから

分析をしていこうとします。

 

順序が逆なのです。

 

主観から進めていってしまうと、

本来の道筋から大きく外れてしまいます。

 

1.作家視点
2.キャラクター視点
3.役者視点

 

この順番でやることでうまく分析できます。

 

【1.作家視点】

物語の中で一番客観的な視点は

「作家視点」です。

これはト書きとして書き記されています。

いつも話している「天地人」の情報はもちろん、

他にもト書きにはさまざまな情報があります。

それらの情報は、

演じるために必要不可欠な情報です。

 

それらを無視して分析を進めることは

できません。

最低限「天地人」は行いましょう。

※天地人についてはこちら

 

それが演じるために必要になる

最低限の情報です。

 

【2.キャラクター視点】

キャラクター視点にはこの中で

さらにいくつかに分類されています。

※細かく分けるとさらに増えます。

1.キャラクターが話している周知の事実(情報)
2.他の人がある人について話していること
3.ある人が自分について話していること

1はト書きと同列に扱います。

 

ト書きに書かれているべきものが

セリフの中で説明されることがあります。

1はそういった客観的な周知の事実を指します。

2はある人が別の人について話していることです。

これには「情報」と「考え」があります。

情報は客観的なものとして捉えます。
考えは主観的なものとして捉えます。

3はある人がその人自身について

話していることです。

 

これも「情報」と「考え」があります。

 

2と3で注意すべきは、情報は客観であり、

考えは主観であるということです。

 

情報と考えの区別をつける

 

例えば今レッスンで扱っている台本のセリフで

「バリスタって、かっこいいよな」

というセリフがあります。

このセリフには、バリスタという情報と

かっこいいと”思っている”という考えが

同じセリフに含まれています。

 

例えばAという役のセリフで、Bに対して、

「お前頑張ってるじゃん」というセリフが

あったとしましょう。

 

「Bさんは頑張り屋さんである」という

情報として処理する人が多いです。

 

違います!

 

「AはBのことを頑張ってると思ってる」という

主観的な考えとして処理しなければなりません。

 

 

分析の順番とは

客観→主観の順に分析が必要です。

自分の演じるキャラのセリフだけ分析しても、

「主観的な分析」になってしまいます。

 

相手のセリフから、

1.自分の役についての情報
2.自分の役についての考え

を得るところが、客観的視点から分析するために

必要なことになります。

その上で、自分のセリフから

情報と考えを分析していきましょう。

【3.役者視点】

 

役者視点の分析には2つの側面があります。

1.推測や類推
2.個人的な想像

この2点は似ているようで全く違います。

 

推測、類推のパターンは、

「その考えの根拠を台本上で明確に提示できる」

ということが必要となります。

台本には明確な言葉としては書かれていない。

でも、やり取りから察するとこうではないか。

そういう考えのことです。

 

根拠として提示できるものがなければ、

「個人的な想像」です。

 

どこにそんなこと書いてあるんだよ!!

 

と、言われたことがある人は、

「個人的な想像」に

寄りすぎている可能性が高いです。

 

 

多くの人が間違える分析のポイント

 

 

分析は客観→主観へ向かいます。

 

ですが、多くの人は

「個人的な想像」から始める人が

非常に多いです。

 

役者の個人的な想像は

もっとも主観的な考えなので、

分析の最後のステップで行うべきなのです。

 

個人的な想像から分析をスタートすると

キャラクターがブレるだけでなく、

ストーリーそのものを

歪めてしまう可能性があります。

 

「個人的な想像」はある種の固定観念として、

演じる役者の頭の中で居座ります。

 

 

演出からのダメ出しや、

新たにわかった分析の結果よりも、

一番はじめに描いた想像の方が、

強く影響を及ぼすのです。

 

 

ダメ出しに対応ができない人、

凝り固まってしまう人の多くは、

こうした「個人的な想像」から

イメージが固定されているのです。

 

 

しっかりと演じていくためにも、

分析は客観的な視点から見ていきましょう。

ポイントは

客観的=事実
主観的=考え

というところです。

 

事実は誰からも観察できるものです。

考えは、ある個人が抱くイメージです。

 

 

これを切り離して分析できるようになると

台本の見方が大きく変わっていきます。

 

 

是非試してみてください。