台本読解の前提条件!台本を読解するために必要な2つのプロセスとは

[char no=”1″ char=”タツミ”]おはようございます!演技に才能はいらない!
知識と技術で教える演技講師タツミです。[/char] [char no=”2″ char=”困った人”]・どうしてうまく読解できないの?
・台本読解に必要なことって何?
[/char]

と疑問を抱えている演技初心者の悩みを解決できる記事になっています。

なぜなら、これから紹介する分析と読解のプロセスを知っただけで「台本読解のために必要なこと」を理解できるだけでなく、それを使って台本読解をより深めていくことができるからです。

 

記事前半では『分析と読解の違い』を解説し、記事後半では『分析のために必要なこと』について解説します。

 

この記事を読み終えることで、周りの演技初心者より格段に深い読み込みができる状態になります。

台本読解のための2つのプロセス

 

台本を読解するために、まずは読解とは別に「分析のプロセス」があることを理解しなければなりません。

 

なぜなら読解とは「分析したデータや情報」を元に「自分で考えて解釈する」ことを指しているからです。

 

台本の要素を分析できなければ、あなたは的確に読解することはできません。

 

読解というのは医者が患者を診断することと似ています。

診断するために必要な検査を行い(=患者の状態を分析する数値)、出てきた分析結果を元に、医者は患者の状態を診断しますよね。

例えば、熱を測ったり、血圧を測ったり、心拍数や心電図、血液検査やCTスキャンなどなど、さまざまな検査によって患者の状態を分析していきます。

その結果を見て、医者は患者の身体にどのような異変があり、症状の原因は何か、どんな病気の可能性があるかを、自身の知識と経験を元に診断を下しています。

 

台本の読解も同じように、台本から必要なデータを分析し、それを元に読解していく作業となります。

 

台本を分析することとは

最初に、分析することと、読解することの違いについて理解することから始めましょう。

 

台本分析とは

 

まずは「分析」という言葉の意味から考えてみましょう。

 

複雑な事柄を一つ一つの要素や成分に分け、その構成などを明らかにすること。

ーデジタル大辞泉ー

 

この分析の定義からしても、分析という作業自体が「それぞれの要素に分解していくこと」「どういう構成かを明らかにすること」というのがわかります。

 

つまり、台本分析とは「台本という全体から要素やデータを細かく分けていくこと」であり、「台本の構成を明らかにすること」であると言えます。

 

それを踏まえて、もう一度読解の定義を見てみましょう。

読解とは

 

前回の記事演技初心者必見!読解力の足りないあなたに必要なシンプルトレーニング法」から読解について再度抜粋します。

 

”読解とは、文章に触れ、そこに内包された情報を、読者と書き手とが共有する文章表現の規則や約束事であるコードと読者に既有の知識や情報および経験を手がかりとして解読し、それを理解し、解釈するまでの、読者の一連の行為を指す概念である。”

Wikipediaよりー

 

これをわかりやすくまとめると以下のようになります。

  • 内容を理解するために文法や文章表現のルールに従うこと
  • 文章を読んで、書かれている情報を理解すること
  • あなたの知識や経験、情報を使って読み解くこと
  • 読み取った内容をもとに考えることができ、解釈できること

 

この4つのうち、上2つが「分析」をするために必要なことを表しているのです。

 

つまり、的確に分析することができてこそ、初めて「読解」というプロセスに入れるのです。

きちんと分析できずに間違った情報やデータ、事実を採用してしまうことで「読解がうまくいかない」というケースもよく見られます。

 

次は分析をする上で知っておくべき「ルール」についてお話ししていきます。

 

台本分析で必要なこと

 

読解の定義にも含まれている通り、分析するためには「文法や文章表現のルール」を知ることが不可欠です。

 

分析のために必要なルールとはどのようなものがあるのでしょうか?

分析のため知るべきルール

 

まず、理解していただきたいのは、日本語の文法です。

基本的には義務教育の国語で学ぶレベルの文法が理解できれば問題ありません。

 

pro witersのサイトで日本語の文法についてわかりやすく解説されていますので、文法に不安のある方は一読することをおすすめします。

【pro writers 日本語文法の基礎】

 

文法は、日本語で話したり、書いたりする際の共通ルールです。

文法を知らなければ、基本的な日本語でのコミュニケーションにさえ悪影響を与えます。

 

書かれてる文から伝えるべき内容を的確に理解し、それを相手に的確に伝えるためには、文法が不可欠です。

日本語を成立させるための基本ルールですから、それが理解できなければ日本語が理解できていないことと同じです。

台本特有のルール

 

さて、読解の最初のプロセスは分析です。

そして、分析のためには「文法」ともう一つ「文章表現のルール」があります。

 

僕らの場合、これは「台本表現のルール」とも取れます。

つまり「シナリオライティングのルール」がそのまま分析に使えるルールとなるのです。

 

例えば、ストーリー構成のライティングルールを使って分析するとすれば、「起承転結」「三幕構成」「序破急」などがありますね。

 

そういった「シナリオライティングのルール」に則って分析することによって、作家が何を表現したくて台本にどう書いているのかを、情報として分析していくことができます。

 

書き方のルールを使って分析すれば、きちんと必要な情報を得ることができ、作品を理解することができます

 

その上で、台本読解をしていくことが大切なのです。

 

まとめ

 

・読解のために分析のプロセスが不可欠

→台本分析とは「台本という全体から要素やデータを細かく分けていくこと」であり、「台本の構成を明らかにすること」である

→読解とは「分析したデータや情報」を元に「自分で考えて解釈する」ことを指している

 

・台本分析で使うのは「日本語の文法」と「シナリオライティングのルール」の2つ

→日本語の文法は義務教育レベルの基本的なもので十分

→台本読解のために台本がどう書かれるのかというルールを知ることで分析に使うことができる

 

 

台本分析と台本読解の区別をつけ、しっかりと読解していけるようにしましょう。

次回から少しずつシナリオライティングのルールについて解説していきます。

 

分析した情報や構成、データ、事実をどのように解釈していくかが読解ですので、前回の記事で紹介した読解トレーニングも合わせて実践していってくださいね。