知識と技術で教える演技講師タツミです。[/char] [char no=”2″ char=”困った人”]・演技ってどうしたらうまくなるの?
・そもそも演技ってどんなことが必要なの?[/char]
と疑問を抱えている演技初心者の悩みを解決できる記事になっています。
僕のレッスンを受けて演技の捉え方がガラッと変わる人が多いです。
実際に養成所とダブルスクールでレッスンを受けに来ている生徒からはこんなLINEをもらいました。
この記事では「演技」というものが何をする必要があるのかを紐解き、演技のレベルを上げていくために、どのようなことが必要なのかの概要をお伝えしていきます。
この記事を読むことで、あなたの演技の捉え方が代わり、何をすれば良いかが理解できるようになります。
結果として、あなたの演技で人の心を動かし、震わせることができるようになっていきます。
声優/俳優とはどういうことをする仕事のか
まずはこれをはっきりとさせておきましょう。
声優/俳優にとって、中心となる仕事は「演技」です。
歌でも、ダンスでも、グラビアでもなく、中心に据えるべきものは「演技」です。
では、演技とは何でしょうか?
声優/俳優の仕事の要である「演技」について考えていく必要があります。
この土台となる「演技の捉え方」を間違ってしまうと、そこから先、演技を高めていくことが困難になります。
土台や地盤がグラグラしていては、その上にはどんな建物も立てることができないのと同じことです。
あなたがしっかりと演技を積み上げて、成長し、上手くなっていくためには、土台となる「演技の考え方」がなくてはならないのです。
演技とは何をするのでしょうか?
演技の定義
演技の定義は人によって様々です。
例えば
- いかにもそれらしく振舞うこと
- 役の感情を表現すること
- 役になりきること
などなど、いろいろなことを言われると思いますし、あなた自身もそう思っているかもしれません。
この演技の捉え方によって、あなたの演技の取り組み方も変わりますし、問題となることも変わってきます。
そもそも、講師の考えている演技とあなたの考えている演技が根本的にずれているとしたら、講師からのアドバイス(ダメ出し)によって、あなたの演技そのものが混乱の渦中へと放り込まれることにもなるのです。
僕が定義する演技とは以下のとおりです。
架空の世界で、その人物として、真に生きること
僕はこの定義に沿って演技を指導しています。
実はこれは、それぞれの演技の段階を表しているものでもあるのです。
演技を行うにあたって、3段階(前提条件を含めると4段階)のステップを身につけていくことで、あなたの演技はより本質的に、より良いものになっていきます。
次はこの演技の定義を分解して、それぞれを理解しやすい形で解説していきます。
演技を段階的に身につけるために
演技の定義を前提条件も含めて4つに以下のように4つに分類します。
0.架空の世界を成立させるために
1.架空の世界で
2.その人物として
3.真に生きること
それぞれの段階に関して、解説していきます。
0.架空の世界を成立させるために
ドラマや映画、アニメなど、演技を必要とされる作品は、「フィクション」です。
フィクション=架空ということは、簡単に言えば「その世界は嘘でできている」ということになります。
架空という言葉をもう少しわかりやすい言葉で言い直すと、「本当はそうではないのに、そのように見える」ということです。
- 怒っていないのに、怒っているように見える
- 悲しくないのに、悲しそうに見える
- カップルではないのに付き合っているように見える
- 親子のように見える
などなど、作品を成立させるためにはそこに架空のものがたくさん入り込んできます。
セリフで言えば、「怒っているように聞こえる」「泣いているように聞こえる」といった、架空の世界を成立させるための最低限の表現が、この0の段階になります。
1.架空の世界で
次の段階になると、「何が架空なのか」を知る必要があります。
何が架空の世界を成立させている要素なのかを知るということです。
この段階では、主に「台本分析」と「台本読解」を行います。
- ストーリー分析
- シーン分析
- 情報データ収集
- 推測
- 自己解釈
などなど、それぞれを細かく分けていくことができます。
台本やシナリオと呼ばれるものは、ただ読めばいいわけではありません。
台本やシナリオのための書き方があるために、独特の読解テクニックが存在するのです。
どのようにしたら台本をより深く読み解き、どれだけ理解することができるかが、この1の段階になります。
2.その人物として
次の段階になると「人物」について知る必要があります。
つまりここでは「人物分析」と「役作り」を行います。
1の段階で取り組んだ「台本分析」「台本読解」を踏まえた上で、「人物分析」を行う必要があります。
人物を分析するにも「架空の世界」についての理解が浅ければ、分析はできません。
そして、人物を分析した先に「役作り」があります。
台本分析から役作りまで、密接に関連し合っているのです。
人物を理解し、その人物を演じるための準備を行うのがこの2の段階になります。
3.真に生きること
その人物は架空の世界の中で生きています。
僕らと同じく生きているのです。
つまり、僕らが普段生きているときにしていることと「同じこと」をきちんと行うことができるというのがこの段階になります。
声優や俳優の仕事は、「生命を吹き込むこと」とも言われます。
その人物を生かすことができるのは、演じる声優と俳優だけです。
本当にそこに架空の人物が生きているように、存在しているように「表現する」のが最後の3の段階になります。
これは0の前提条件にある「架空」のための表現とは全く別次元のものになります。
むしろ、「表現しているように見せない」という段階です。
これが僕の考えている演技の定義であり、演技に必要な段階となります。
養成所や専門学校で行なっているレッスンの段階とは
さて、演技を学びにいくところと言えば、養成所や専門学校を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
この定義をよく見ていただきたいのですが、多くの養成所や専門学校で行なっているレッスンというのは、通常「0の段階」にある、前提条件としての「表現」の部分がほとんどです。
- 発声
- 滑舌
- 感情表現
- セリフ術
多くの養成所や専門学校のレッスンで扱うのは、実際のところ「演技」ではないのです。
演技をするための土台となる「基礎」を扱っているのです。
つまり、養成所や専門学校のレッスンを受けたからといって、劇的に演技がうまくなるということはありません。
演技がうまくなりたいのであれば、演技の段階をきちんと理解した上で、教えられる講師が必要です。
”演技”を上達させるために必要なこと
養成所や専門学校でレッスンを受けていても、なかなか上達しない人は、自分がどの段階にいるかを理解していないのです。
もちろん、各段階の中でも細かなステップがあります。
いわゆる「才能がある」「センスがある」という人は、知らず知らずのうちに、この演技の段階を積み上げて行きます。
ですが、多くの人はそうではありません。
経験を積めば積むだけ、各段階の経験値は積まれていきます。
ですが、しっかりと段階を理解した上で学び、またそれを指導できる講師が必要です。
次に何が必要なのかを把握した上で演技することが、演技の上達には不可欠なのです。
まず、演技の段階について知り、自分がどの段階までを理解しているかを知り、次に自分が何を学び身につけるべきかを知ることが、演技上達への一番の近道です。
まとめ
・声優/俳優はどのような仕事をするのか
→声優の仕事も、俳優の仕事も「演技をする」のが仕事である。
つまり、演技を学び、演技力を上げていく必要がある。
・演技とは何か?
→架空の世界で、その人物として、真に生きること
・演技を段階的に身につけるには
→演技の定義を切り分けて段階ごとに学んでいく必要がある
0.架空の世界を成立させるために
1.架空の世界で
2.その人物として
3.真に生きること
つまり、
0.滑舌、発声、感情表現といった表現の基礎
1.台本分析と台本読解
2.人物分析と役作り
3.生命を吹き込む表現(表現しているようにみえない表現)
を身につける必要があるということ。
・養成所や専門学校で行なっているレッスンとは?
→実は演技に入る前の「表現の基礎」で終わっていることがほとんど。それだけできたとしても、演技がうまくなるわけではない。
つまり、才能やセンスがある人だけが、知らないうちに次の段階に進んでいるだけで、多くの人は0の段階をやっているだけにすぎない。
・演技を上達させるために必要なこと
→それぞれの段階を理解し、自分がどの段階にいるかを理解し、次に何を身につけるべきかを理解し、学んでいくこと。
演技が何かを理解し、自分の演技を見つめ直し、しっかりと順序立てて学んでいけば、演技は誰にでもできるものなのです。
今回のブログを読んで、是非今まで自分が学んできたこと、あなた自身の演技観に関して、今一度考え直して見てくださいね。