知識と技術で教える演技講師タツミです。[/char] [char no=”2″ char=”困った人”]
・ボイスサンプルをどう作ればいいかわからない…
・ボイスサンプルで意識した方がいいことって?
・ボイスサンプルってそもそも何?
そんな悩みを持つ新人声優や声優志望も多いと思います。
今回は、「初めてボイスサンプルを作る!」という人に向けて、ボイスサンプルを作る上での注意事項や必要なことをわかりやすくまとめています。
この記事を読むことで「ボイスサンプルを作るために必要なこと」「どうやってボイスサンプルを作ればいいのか」がわかり、オーディションや営業ツールとして、あなたが声優として活動するための必須ツールを手に入れることができます。
ボイスサンプルとは?
ボイスサンプルとは、その名の通り「声のサンプル」です。
声の特長や演技の幅などを示すために収録された声のサンプルのこと。宣材の一種。原稿読みやさまざまなキャラクターを想定したセリフ読み、フリートークなど自分の声をアピールするための宣材。作品の配役オーディションによっては、ボイスサンプルを広く集め、一次審査を行う場合もある。
- どんな声が出せるか?
- どんなキャラクターを演じられるか?
- どれだけ演技の幅があるか?
- 滑舌や発声はできているか?
などなど、ボイスサンプルを聞くだけでその人の声優としての技量もしっかりと見えてくるのです。
逆に言えば、ボイスサンプルがしっかりと作れていないと、実際の実力はどうであれ「門前払い」されてしまう可能性もあるということです。
ボイスサンプルを作るために用意すべきもの
まずは、ボイスサンプルを作るために必要なものを用意しましょう。
- ボイスサンプルの原稿
- ボイスサンプルの収録環境
- ボイスサンプルの視聴環境
最低でもこの3つは必須です。
ボイスサンプルの原稿を用意する
まずはボイスサンプルを作るためには原稿を用意しなければなりません。
原稿の準備に関しては大きく分けると3つあります。
- 指定原稿を使用する
- インターネットで公開されている原稿を使う
- オリジナルの原稿を作る
それぞれに関して解説していきます。
指定原稿を使用する
一般公募のオーディションですと、多くの場合「指定原稿」が用意されています。
例えば、81プロデュースが毎年開催している「81オーディション」では、男性用原稿と女性用原稿が毎年指定されています。
シグマセブンで開催されていた所属オーディションも、指定原稿が用意されていました。
また、先日行われた「Sacks&Guns!!(サクガン!!)」のオーディションも、ヒロイン役のセリフから抜粋で指定の原稿が用意されていました。
このように応募するオーディションによって、指定の原稿(セリフやナレーション)が用意されているものがあります。
その場合には、指定原稿にしたがって、サンプルを作る必要があります。
インターネットで公開されている原稿を使用する
インターネットで「ボイスサンプル 原稿」と検索をすれば、たくさんのセリフやナレーションを公開しているブログやサイトが出て来ます。
所属オーディションや養成所などの入所オーディションでも、原稿の指定がないものもあります。
そういった場合には、ネットで公開されているボイスサンプル原稿を使用することもあるでしょう。
また、自分自身の営業用のボイスサンプルを用意したい場合でも、こういった公開されているボイスサンプル原稿を使用することもあります。
中には、事務所で公開している個人のボイスサンプルでもインターネットで検索したら出てくるサンプル原稿を使用している人もいます。
指定の原稿もなく、自分で原稿を書くことができないという場合には、こういった公開されているボイスサンプル原稿を使うことも視野に入れても良いでしょう。
オリジナルの原稿を使用する
僕が一番オススメするのは「オリジナル原稿」を使ったボイスサンプルを作ることです。
オリジナルで原稿を作ると…
- 他の人と原稿でかぶることがない
- 自分で原稿を作ることでイメージが持ちやすい
- 自分の演じたいキャラクターを自由に表現できる
- 自分の演じたいシチュエーションを自由に選択できる
などなど、さまざまなメリットがあります。
特に「イメージが持ちやすい」というのは、オリジナル原稿ならではです。
どんなシチュエーションで何をしているのか、自分でイメージができていなければ原稿は書けません。
それは短い中で詰め込まなければならないボイスサンプル制作では、とても大切なことなのです。
ボイスサンプルの原稿を練習する
原稿を選び終わったら、それぞれのセリフやナレーションをしっかりと練習しておきましょう。
注意すべきポイントは
- 原稿の読み込みはできているか
- キャラクターの演じ分けはできているか
- 滑舌の悪い箇所はないか
これらのポイントは特に重要です。
セリフをいくつ読んでも、同じにしか聞こえなければサンプルの意味はありません。
滑舌で苦手が文字列があるのであれば、自分の言いやすいように書き換えることもできます。
※指定原稿の場合には、セリフの変更はNGです!
制作するボイスサンプルが、無駄にならないよう事前の準備として、しっかりと練習していきましょう。
その上で収録に臨むことが良いボイスサンプルを作るために必要なことです。
ボイスサンプルの収録をする
原稿を選んだら、次はボイスサンプルの収録です。
ボイスサンプルを収録するには大きく分けると2つの方法があります。
- 宅録で収録する
- スタジオで収録する
それぞれのメリットとデメリットを上げていきましょう。
宅録で収録する
一番簡単なのは宅録で収録することです。
- 収録の時間を気にせずに録り直しが自由
- いつでも自由に収録が可能
というメリットがあります。
逆に
- 最低限の編集録音技術が必要
- 機材を揃えるための初期投資が必要
- 自宅に声を出しても良い環境が必要
- 環境音(ノイズ)が少ない環境が必要
- ディレクターがいないので自分で修正が必要
というデメリットがあります。
しかし、昨今の声優の案件でも、宅録で納品する形式のものも増えて来ていますので、いずれ自宅で収録できる環境を揃えることは必要になってきます。
すでに録音機材を持っている人でなければ、宅録という選択肢は選ばないかもしれません。
宅録で収録する場合の注意事項としては、スマホの標準マイクで収録したものや、ボソボソとした声でしかセリフを喋れない環境で収録したものに関しては、ボイスサンプルとしては使用できないのでご注意ください。
そのボイスサンプルで応募しても、「まともに聞いてもらえない」ので選考対象から外れてしまいます。
そんなボイスサンプルで応募しているのでは、「自分はこの程度の意識しかありません」と自分で公言しているようなものです。
マイナス評価を積み上げるだけなので絶対にやめましょう。
スタジオで収録する
宅録で収録する環境が作れないのであれば、スタジオで収録することを検討するべきです。
スタジオ収録でのメリットは
- しっかりとした機材で収録可能
- 大きな声でしっかりと演じられる環境がある
ということです。
逆に
- 収録時間に限りがある
- 事前準備が甘いと録りきれない
- 収録のたびにお金がかかる
ということがデメリットで挙げられるでしょう。
実はスタジオにも2種類あります。
- 自分で操作をする低価格スタジオ
- エンジニアが操作をする通常のスタジオ
それぞれの違いを解説していきましょう。
自分で操作をするスタジオ
録音機材と環境だけを貸し出すために低価格で提供しているスタジオもあります。
そこでは、マイクやインターフェイス、マイクスタンド、パソコンや録音ソフトなど、全ての環境が用意されています。
大きな声を出しても良いようにしっかりと防音された環境もあります。
つまり、宅録環境を自宅に用意できない人のための低価格スタジオです。
録音機材や録音ソフトの使い方など、最低限の操作方法を知っていなければいけません。
また最近では、ヒトカラのシステムに「録音機材」などが設備として使えるところも出て来ました。
ネット配信や歌ってみたの収録用に使えるものですが、ボイスサンプルの制作もそういったカラオケを使うというということも可能でしょう。
通常のスタジオで収録する
通常のスタジオなら録音作業は全てエンジニアが行います。
予約した時間いっぱいまで、エンジニアが付き合ってくださるので、無駄が少なく効率の良い収録が可能です。
またエンジニア兼ディレクターとして、自分で見つけられない問題点を指摘してもらえる場合もあります。
ただし、エンジニア料金が追加で掛かってくるので、スタジオの利用金額が高額になる場合も多いです。
しかし、録音に関する専門知識を自分で身につける必要がなく、ボイスサンプルを適切な形で制作することができるので、お金はかかりますが、一番安心できるのは、このスタジオ収録です。
ボイスサンプルの視聴環境を整える
ボイスサンプルの提出方法や、拡散方法、クライアントに対する視聴方法など適切な形でなければ、せっかく作ったボイスサンプルも台無しです。
オーディション用のボイスサンプルの場合
オーディションにボイスサンプルを提出するならば、指定のメディア(USBメモリやCDなど)が必要かもしれません。
または、専用の応募フォームやメールアドレスに提出という場合もあります。
これもオーディションによって変わってきます。
サンプル音源のファイル形式(mp3やwavなど)の指定がある場合もありますので、提出の形式やメディアをしっかりと確認しておきましょう。
オーディションにボイスサンプルを提出する中でよくあるのは「再生できない」というトラブルです。
せっかくお金を掛けてボイスサンプルを制作したとしても、再生できなければ意味がありません。
応募の前には必ず再生できるか確認をすること!
個人活動のためのボイスサンプルの場合
もし個人の活動のために作成しているボイスサンプルなのであれば、YouTubeに投稿したり、オンラインストレージ(GoogleDriveやOneDrive、DropBoxなど)が必要かもしれません。
オススメはボイスサンプルを個別でオンラインストレージにアップロードしておくことです。
例えば、セリフ3つ、ナレーション2つのボイスサンプルを制作したとします。
その場合には、セリフ3つとナレーション2つをそれぞれ別々のファイルで保存し、5つのファイルを公開するのです。
ファイル名は、セリフなら「臆病な少年」「優しい上司」など、演じたキャラクターにしておきます。
ナレーションであれば「バラエティ番組ナレーション」「イベントCMナレーション」など、読んだナレーションについてわかるようなファイル名にしましょう。
YouTubeにアップロードすることも悪くはないのですが、少し問題があります。
それは「全部聞いてもらえるとは限らない」ということです。
また一本の音源になっているとどこにどんなサンプルが入っているかわからないということもあります。
仕事を取るという観点で見れば、クライアントが必要としているサンプルを提示できる方が採用の確率は上がります。
どのような形で公開するのかも意識する必要があります。
そして、チャンスが来た時にいつでも聞いてもらえるようにしておくのです。
古いサンプルしかないのであれば、定期的に更新していきましょう。
少なくとも1年に1回はサンプルを追加したり、過去の音源を録り直したりして、最新の自分の演技を聞いてもらえるように心がけておきましょう!
まとめ
・ボイスサンプルとは?
→声の特徴や演技の幅などを示すために収録された声のサンプルのこと!
・ボイスサンプルを作るために用意するもの
1.ボイスサンプルの原稿
2.ボイスサンプルの収録環境
3.ボイスサンプルの視聴環境
・ボイスサンプルの原稿を用意する
1.指定原稿を使う
2.インターネットで公開されている原稿を使う
3.オリジナルの原稿を作る
→苦手が文字列があれば、言いやすいように変更する
※指定原稿の場合には変更NG
・ボイスサンプルを収録する
1.宅録で収録する
→自由に収録できるが、設備のために初期投資が必要
→声が出せてノイズの少ない環境が必須
2.スタジオで収録する
→それなりにお金がかかる分、質は良い
→自分で操作できるなら格安スタジオやヒトカラでもOK
→質を求めるならプロのエンジニアに任せて収録する
・ボイスサンプルの視聴環境を整える
1.オーディション用サンプル
→ボイスサンプルの指定ファイルと指定メディアを確認する
→きちんと再生されるか確認する
※約1割は音源が再生できずに不合格になる
2.個人活動のためのボイスサンプル
→ GoogleDriveやDropBoxなどにアップロードしておく
→一本の音声ファイルでなく、個別ファイルにする
→どのサンプルも聞いてもらえるようにわかりやすいファイル名にする
ボイスサンプルは少なくとも年1回は更新するように!