知識と技術で教える演技講師タツミです。
僕は演技講師だけではなく
- 声優ナレーター
- 舞台俳優
- 音響スタジオの経営
- キャスティング事業で教え子に仕事を斡旋
- 声優向けの書籍の出版
などもしております。
今回は「才能がないけど、プロになれる?」というテーマでお話ししたいと思います。
プロになるために才能は必要か
僕は「演技に才能はいらない」というキャッチコピーで活動しています。それもありますが、プロになるために「才能」は必要かと聞かれたら、それよりも圧倒的に「努力」できる人の方がプロにはなれると思います。
才能をわかりやすく表現するのであれば、人より成長するために時間がかからないということです。早く何かに気づいて、早くそれをできるようになる。その能力を「才能」と呼びます。
でも、それは努力がなければ花開かないものです。
才能があることがすごいのではなくて、才能がある人が努力をするからすごいのです。才能だけの問題ではありません。
わかりやすくゲームのステータスに置き換えてみます。
才能がある人は「ちから」がレベルが上がるごとに4上がるけれど、あなたは2しか上がらない。そうすると同じ努力をしても、差はどんどん開いていく。だから、才能がある人はどんどん上手くなっていくし、自分は取り残されているように感じる。そういうことだと思うんです。
簡単に表すと、「才能×努力=その人の実力」という計算式になるわけですね。その人の実力、もしくは「スキル」という言い方をしてもいいかもしれません。
じゃあ、つまり僕は才能がある人たちより実力が低いってことですね、なんて卑屈なことは考えないでください。
まだこの話には続きがあります。
スキルは磨かなければ低下する
このスキルが、ゲームと違うところか2つあります。1つはこの実力やスキルは「努力し続けないと低下する」ということです。
才能がある人の多くは「すぐにできてしまう」ので、周りと比べても自分で自分を優れていると認識します。そうするとほとんどの人が、「優越感」を持ち始めて、「自分できるから大丈夫」というおごりを持ってしまうんですね。
そういうタイプの人は、ちょっとやったらすぐ伸びると思ってるので、普段のトレーニングをサボり始めたり、熱心に取り組まなくなる人がいます。そうすると、せっかくの才能も努力がないのでスキルとして身につきません。身についたものも、日々磨き続けなければ、だんだんと衰えていくのです。
才能があってもいずれ壁にぶつかる
2つ目は「いずれ壁にぶつかる」です。人が成長する時に必ず「壁」が現れます。それは心理学用語で「プラトー」と呼ばれる状態です。
どんなに取り組んでも一向に成長を感じなくなるし時期が来ます。ダイエットの停滞期みたいにピタっと変化が止まります。
才能のある人は、やったらやっただけ成長してきているので、あまり大きな壁を感じません。なので、このプラトーにぶつかった時にもう無理だと諦めます。
そして、特に壁にぶつかってこないからこそ、プラトーは長く続きます。その間コツコツと努力しなければいけないのですが、1つ目の理由から多くの人が「自分をできる人」と思っているため、あまり努力というものをしません。そしてそのまま努力を怠ってスキルが低下していき、どんどんできなくなっていく、というのがよくあるパターンです。
一方、才能がないと嘆くあなたには、逆にチャンスになります。
コツコツと努力をして積み上げ続けてきて、途中小さな壁を何個も乗り越えてきます。そうして成長してきたあなたがプラトーの状態になったとき。
あなたが才能があると思っていた人は、あなたと互角か、もしかしたらあなたより実力が下になっています。
才能が必要なのではなく、才能は実力を効率よく伸ばすためのボーナスにしか過ぎません。そのボーナスもいずれ効果がなくなり、コツコツとレベルを上げてきた人と変わらない状態になります。
最後は努力
その時に明暗を分けるのは、やはり努力なのです。スキルを磨き続けてきたか、なのです。
あなたが的確に努力すれば、才能というボーナスがなくても、成長を早くすることはいくらでもできます。
それが演技講師の務めでもある、と思っています。
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以上、タツミでした。バイバイ、またね