滑舌が悪いこととセリフを噛むことの違いとは?

おはようございます!

 

演技に才能はいらない!
あなたの「演技の壁」をぶち壊す
アクティングディレクターのタツミです。

 

今日は、前回の話で挙がった
「滑舌」についてお話ししたいと思います。
 

セリフが明瞭に言えない原因とは?

まず、最初にセリフが明瞭に言えない
いわゆる「滑舌が悪い」と言われる原因について
考えてみることから始めましょう。

 

多くの人が「セリフで噛んでしまう」
「セリフがきちんと聞き取れない」
ことに対して
「滑舌が悪い」と思い込んでいると思います。

 

ですが、セリフを噛むことと滑舌とは関係がありませんし、
セリフがきちんと聞き取れないのは
滑舌だけが原因ではありません。

 

滑舌とは何か?

まずは、滑舌について考えて見ましょう。
「滑舌がいい」「滑舌が悪い」と言いますが、
滑舌とは何でしょうか?

 

これがわかっていないことには、
滑舌を鍛えるなどということは
はっきり言って「できない」のです。

 

辞書で調べてみると、
「言葉を明確に発音する口や舌の動き」
「演劇やアナウンスなどで、
セリフや台本を滑らかに発声すること」

とあります。

 

滑舌には「発声の要素」が含まれているのです。

 

この要素を無視してしまったら、
「滑舌を良く」などということは無意味なのです。

 

小さな声でなるべく早く早口言葉を言うこと
滑舌の練習になると思っている人が大勢います。

 

はっきりと言い切りますが、
そんな練習では滑舌は本当の意味でよくはなりません。

 

滑舌の本質からは大きくズレた練習方法なのです。

 

練習方法は以前も話したことがあります。
【滑舌に関する記事一覧】

 

また改めて滑舌の練習に関しては、
触れていきたいと思います。

 

セリフを噛む2つの原因とは?

人が話をしているときにつかえてしまうことを、
「噛む」と言いますが、
なぜ人が言葉を話すのに噛んでしまうのでしょうか?

 

その原因には2つあります。

 

1つは「思考と言葉の速度がかみ合わないとき」

 

一般的に頭の回転が速い人の方が、
会話のテンポも速いです。

 

言葉を話すことよりも、頭の回転が大きく上回っているとき、
人は言葉をつかえる傾向にあります。

 

そして「セリフを噛む」ときの大きな原因は
「言葉を理解していないとき」に起こります。

 

人は、自分が知らない言葉を明瞭に滑らかに
発声するようには、できていないのです。

 

あなたがセリフを噛んでしまうのであれば、
原因の多くは「滑舌が悪い」のではなく、
セリフの内容、台本の内容、言葉の意味を
理解していないということから起こっています。

 

だから僕は「外郎売」を滑舌のためだけに使うことは、
無意味だと言っているのです。

 

理解していない言葉のオンパレードですから。
それをいえるようになったからといって、
機械的に口が処理しているだけで、
セリフを噛まなくなるわけではありません。

 

そして機械的に口が処理するということは、
そこに込められるあらゆる要素が
欠落してしまうということです。

 

滑舌の練習をするからといって、
やみくもに早口言葉を言ったり、
外郎売をやったとしても、
効果は薄いということを肝に銘じておいてください。