「セリフを言う」より大切な演技のこと

おはようございます!

 

演技に才能はいらない!
あなたの「演技の壁」をぶち壊す
アクティングディレクターのタツミです。

 

今回は演技に関するコラムを少し。

 

演技をするときに何を意識しますか?

 

・セリフをちゃんと言うこと
・感情を表現すること
・しっかり役になること

 

いろいろあると思います。

 

発声練習は?
滑舌はどうしたら?
感情はどうしたら出ますか?

 

いろいろ質問いただきます。

 

トレーニングは大切ですが、
もっと大切なことがあると
僕は思っています。

 

 

あなたはちゃんと生きてますか?

 

演技で大切なことは、
その演じる役がしっかりと
“生きること”です。

 

それは演じる役者がどれだけ真剣に
“毎日を生きているか”ということと
大きな関係があります。

 

声優の話だけではありません。
テレビも舞台も映画も演じることを職業とする
全ての人に言えることだと思っています。

 

一括りに役者と呼びます。

 

役者本人が「真剣に生きる」をしなければ、
役は「生きる」という状態に達するのに
とても苦労することになります。

 

僕のレッスンでは耳がタコになるほど
「毎日ちゃんと生きて」と言います。

 

僕のレッスン内での指摘やアドバイスは
ほとんど「日常」から実践できることです。

 

そういう点では、
役者は芸術家でありながら、
他の芸術家とはその性質が大きく異なります。

 

 

役者は稀有な職業

 

音楽でも演奏家、作曲家、歌手、
絵の分野でもイラストレーター、漫画家、
画家など、いろいろな仕事があります。

 

他のどの芸術家も、
特殊なトレーニングが必要です。

 

ダンサーは特殊な身体の動きを
コントロールするためのトレーニング、
画家は筆を使いこなすためにひたすら描き、
演奏家はその楽器を演奏することで
技能を高めていきます。

 

ですが、ら役者のトレーニングは、
基本的に日常でできるのです。

 

普段から喋り、話し、生きています。
会話すること、コミュニケーションを取ること、
それによって感情が動くこと。

 

すべて日常生活で行なっていることなのです。

 

週1回30分ボイトレに通っても、
その他日時生活で発声が意識できていなければ、
発声を鍛えるのに時間がかかるでしょう。

 

週1回演技レッスンを受けても、
日常から意識して生活していないと
身につけるのに時間がかかるでしょう。

 

1日24時間、365日、
僕らは生活の中でトレーニングできるのです。

 

トレーニングのために時間を取れなくても、
日々の生活がそのままトレーニングになります。

 

 

日々真剣に生きる

 

アルバイトの時間も、学校の授業も
友達と遊んでるときも、
僕ら役者にとっては全てが学びです。

 

僕らはひとりの人間を演じるのが仕事です。

 

では、あなたは自分のことを知っていますか?
自分以外の誰のことを知っていますか?

 

人間を演じるのにその人が何を考え、
何を感じているかは知る必要はないのでしょうか?

 

そんなことよりも、
「どんな風にセリフを言おう」という意識のが
強いのですか?

 

「己を知り、敵を知れば百戦危うからずや」
という孫子の言葉がありますが、

 

「自分を知り、他人を知ることで演じられる」
ということを常日頃意識することが
あなたの毎日を役者修行にしてくれるのです。

 

僕のレッスンは、
本当に日々のことを考えるキッカケに
なるそうです。

 

どれだけ意識して生活するか、
その密度の濃さが
「あなたの演技の濃さ」です。

 

セリフをいかにカッコよく言えても、
セリフにいかに感情をこめようとしても、
「人間」が演じられなければ
意味がありません。

 

今日から毎日真剣に生きてください。
僕はそれを実践してプロの道に進みました。

 

トレーニングのための時間は取れなくても、
生活そのものがトレーニングになるなら、
忙しくてもできます。

 

真剣に生きてください。
それが一番の近道です。