知識と技術で教える演技講師タツミです。
・カッコよく、カワイく言えたらOKでしょ?
・セリフが薄っぺらいと言われる
そんな悩みを抱えている人に向けて記事を書きました。
この記事では、「なぜ人が言葉を発するのか」「人はどんな言葉を使うのか」「コミュニケーションが成立するための要素」などの、セリフに必要な本質に関して解説しています。
それらを理解することで、セリフの言い方に捉われず、効果的な演技をすることができるようになります。
無視されがちなセリフの本質とは?
セリフはそもそも「登場人物の言葉」です。
多くの人が、セリフを喋ろうとするときに「どうやってこのセリフを言おうか」「どんな感情で喋ろうか」ということに意識を向けてしまいます。
ですが、人が生活をしている中で、「言い方」や「感情」を意識して生活している人などほとんどいません。
その「表現しようとしてしまう意識」が強すぎるために、大切な本質を見落としている人が非常に多いのです。
人は普段どうして言葉を発するのでしょうか?
人が言葉を発するには目的がある
人が言葉を発するときには、何かしら目的が存在します。
どんな言葉にも目的があります。
シンプルな例を挙げましょう。
「好きです!付き合ってください」というセリフには「あなたに恋人になってほしい」という目的があります。
簡単に言えば「目的とは、相手に何かをしてほしいと望むこと」です。
全てのセリフには、何か目的があります。
言い方を考えるより、まずは「このセリフの目的はなんだろう?」と考える方が、コミュニケーションの本質に近づきますし、目的を持って発した言葉は、相手に影響を与えるようになります。
では、次に「どんな言葉を使うのか」という観点で見てみましょう。
人は自分の理解している言葉しか使わない
人は「自分が理解している言葉」しか使いません。
むしろ、知らない言葉は使えません。
今、突然「ドイツ語で話してください」と言われても、多くの人はドイツ語を知らないために会話できないと思います。
同じことが、日本語でも起こるのです。
使える言葉の量を「語彙力」と言いますが、人はこの語彙力によって、コミュニケーションの質が変わってきます。
セリフの観点で言えば、
「登場人物の使っている言葉は当たり前のように理解していなければならない」
のです。
- 意味のわからない単語
- 理解が曖昧だと感じる単語
- 文脈の理解ができないセリフ
- 読めない漢字
などなど、自分のセリフ内の全ての言葉を知っている必要があります。
わからない言葉があれば、辞書で調べて理解するようにしてください。
最後に、コミュニケーションの構図を理解しましょう。
コミュニケーションの構図とは
コミュニケーションでは、様々な要素が組み合わさっています。
- 起点
- 受領点
- 距離
- 注意
- 意図、目的
- 内容
これらの要素は、どんなコミュニケーションにも当てはまります。
つまり、セリフに関しても当てはまります。
セリフを言うときあなたは起点です。
そして、セリフを届けるべき相手は受領点です。
そこには距離があり、相手に向けられた注意があり、意図(目的)があります。
その上で、話している内容が相手に伝わるのです。
このコミュニケーションの原則を理解できていれば、セリフを言うときに何が必要かが理解できるようになります。
まとめ
・セリフの本質
→登場人物の言葉である
→言い方や感情ではないもっと大切なことがある。
・人は自分の理解している言葉しか使わない
→知らない言葉、わからない言葉が出てきたら調べる
・コミュニケーションの原則を知る
→コミュニケーションの構成要素
→起点、受領点、距離、注意、意図、内容
→これらの要素が成立して初めてコミュニケーションが成り立つ
あなたがセリフを話すときの参考にしてみてください。