知識と技術で教える演技講師タツミです。
・若くないと声優になんてなれないよ…
・声優を目指すには年齢が気になる
そんな悩みを抱える方のために今回の記事を書きました。
声優志望の方から実際にいただいた「声優を目指す年齢」に関する質問に回答しました。
大学卒業後や社会人になってから声優になりたいという方もいると思いますが、僕が声優を目指す年齢に関してどう考えているのかをお伝えしていきます。
よく言われる「10代から目指さないとダメ」論や、「社会人経験してからじゃ遅い」論について、はたして本当なのか、この記事を最後まで読めばご理解いただけます。
声優になるのに年齢制限はあるか?
初めに結論からいうと、声優になるのに年齢は「関係ない」というのが僕の考えです。
もちろん、声優志望の方の若年化が進んでいて、若くて上手い人もたくさん出てきています。
最近は中高生で声優の勉強を始める方も多く、中高生限定のクラスを運営している養成所もあります。
そういった現状を踏まえるとどうしても年齢が気になるところだと思います。
実際、若いうちに始めた方が吸収力もあり、成長も早いです。
しかし、だからといって社会人を経験してから声優を目指すのが遅すぎるとは思いません。
まず、声優になるなら若くないとと言われる場合、ほどんどがアイドル売りを想定しています。
それはつまり、見た目がよくてビジュアルでも売り出せて、若くて、メインの役所を演じられる声質、いわゆる「イケボ」「カワボ」であるということです。
そういう人たちと同じ土俵で戦うなら、つまり「アイドル声優」を目指すのであれば、残念ながら若くないと難しいでしょう。
ここで一つ質問なのですが、あなたがなりたいのは「アイドル声優」なのでしょうか?
そこが今回の一番のポイントになります。
あなたが目指すのはアイドル声優?
逆に言えば、アイドル声優ではなく、「声優」になるというのであれば、そこまで年齢は意識しなくても良いです。
ここで重要なことは、あなたがどんな声優になりたいと思っていっているかです。
それさえズレていなければ、声優になること自体はそんなに難しい夢ではありません。
例えば社会人を経験してから声優の勉強を始めるということであれば、中高生より社会人としての常識やマナーを理解しているということになります。
それは仕事でクライアントとコミュニケーションを取ることを考えれば、大きなアドバンテージとも言えます。
また、よく考えていただきたいのですが、声優を必要とする作品は、全ての登場人物が中高生でしょうか?
そうではないですよね。
10代や20代の役もあれば、40代のお父さんお母さんという役もありますし、50代の上司役などもあります。
では、普通に考えて、40代のお父さん役を中高生で演じるのと、30代の声優が演じるのと、どちらがリアリティを持って、無理なく演技できるでしょうか?
そう考えることができれば、「年齢は関係ない」ということに関して、ご理解いただけるんじゃないでしょうか。
アラサーで声優になった実話
僕の教え子で20代後半の女性の声優志望の方がいました。
彼女はある年の夏から演技の勉強をし始めたのですが、翌年の春にはある事務所に預かりとして所属することができました。
女性で、演技経験もなく、アラサーと呼ばれる年齢で声優を目指すということは、多くの人からみたら「遅い」と言われても仕方ないでしょう。
ですが、彼女は預かりではありますが、声優事務所に所属することができたのです。
他にも僕の養成所時代の同期には、僕より10歳年上の男性がいました。
彼は、当時30歳で、誰もが知っている大手企業に務めていました。
女性より男性の方が遅咲きも多いのは事実ですが、彼は講師からも「立派に社会人しているのにこんな仕事目指すなんて」と言われていました。
しかし、彼は卒業後、ある事務所に所属となり、今ではナレーターを中心に活動しています。
このように、世間的には「声優を目指すには遅い」と言われるような年齢でも、声の仕事についている人はいるのです。
大切なことは、声優になるためにきちんと努力し、あなたが声優として仕事をするためにどこを目指すべきかを、あなた自身できちんと考えて行動することです。